「おいしさ」でもてなすのがオーベルジュ

みなさんが旅行をされるとき、一番の楽しみや、またその旅の目的はどこにお持ちでしょう？　大切な人と一緒に訪れる初めての土地の観光スポットや名所旧跡、どんな地方でどんな人々のくらしがあるのか。また、長い歴史の中から生まれた名産品や特産品のこと、できるだけたくさんの情報を持って、とことんエンジョイしたいと思うのは当然だと思います。そして、宿泊施設のこと、どんな部屋でどの程度の施設があるのか？　旅行のクライマックスとも言うべき食事はおいしいのだろうか？　スタッフたちはわたしたちを十分に満足させてくれるのだろうか？　などといった不安も、その旅が思い通りに過ごせたならば旅行前の楽しみの一つかもしれません。

大げさにではなく人生の思い出の1ページに刻み込まれる今回の旅の演出。料理を主体として訪れてくださった人たちを「おいしさ」でもてなすのがオーベルジュなのです。

チェックインされてからは、本日のメインイベントの「お食事」を堪能することを最大の目的としていただきましょう。到着までの喧騒も、たっぷりとお湯をはったバスタブですっかり流してしまいます。いつもよりほんの少しドレスアップしていただき、リラックスしているけれども晴れの日気分……。メインダイニングまで一歩足を踏み出すごとに食事への期待が高まってきます。メニューを開けながらの給仕との会話を合図に料理とサービスに身を委ねていただきます。運ばれてくる一皿ずつをゆっくりと楽しむ。伝えた好みと料理の相性を考えてソムリエが選んだワインを味わう……。次々と繰り出された料理とワイン、それに接客を楽しみ、このまま夢の中へ。

翌朝、中庭で焼きたてのクロワッサンや生ハム、自家製のジャムなどを優しい日差しに包まれ食していただきましょう。オーベルジュの楽しみはチェックアウトされるまでの「時間と空間のご馳走」なんです。