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意外な知識を得ることができる機能
新聞もテレビもなくならない、という意見が大多数なのは、それなりに理解できます。ニュースを知る手段としてここまで定着していれば、それらが存在しなくなる状況が想像できないのは仕方ないかもしれません。 Noの意見で鋭いなと感じたのは、「新聞やテレビは受動的に情報を与えられる部分が多いので、意外な知識が得られることも多い」というkakoranさんの指摘です。正直なところ、僕はいま突然テレビや新聞が消滅しても誰も困らないのではと思っています。それは新聞やテレビが無意味ということではなく、技術のハードルがここまで低くなれば、新聞やテレビがいま果たしている機能がネットに融合や吸収されてもおかしくないという意味です。ただし、ひとつ問題があるとすれば、そうした「意外な知識を得ることができる」という機能が犠牲になりかねないことです。 ニュースメディアとしての新聞やテレビの最も重要な機能は、事実を伝えることではありません。世の中に無数ある事実や日々起きる事件の中から、多くの人が知るにふさわしいニュースを選別し、それぞれのニュースにふさわしい紙面の大きさや放送時間の長さを決めることです。言いかえれば、読者や視聴者が知りたいことだけを伝えるのではなく、新聞社や放送局が「読者や視聴者が知っておくべき」と判断したこと、読者や視聴者からみれば「意外な知識」を得られることが、新聞やテレビの最も重要な機能ではないかと思います。 ライブドアの堀江社長は、新聞やテレビがそうしたニュースの価値判断をすることはある種の「思い上がり」だと主張しました。そうした考えに基づいて新聞やテレビがネットに融合されれば、スキャンダリズムやセンセーショナリズムだけでニュースの価値が判断され、究極的には読者や視聴者の「意外なことを知る権利」が脅かされません。そうなれば、新聞やテレビはネットで得られない貴重な情報を提供してくれるメディアとして、規模はどうあれとりあえず存続するでしょう。 それでも僕は、新聞やテレビが少なくともいま現在の形のメディアとしては消滅する可能性は否定できないと思っています。それは技術の進化に伴って現在の新聞やテレビの使い勝手のよさが特別の魅力をもたなくなるからだけではなく、新聞やテレビが「信頼できるメディア」としての希少性を失いつつあるからです。 掲示板などに象徴されるように、ネットが今も事実とデマの入り交じったメディアであることは変わりありません。しかし、だからといって新聞やテレビが信頼できるメディアとして存続し続けると言いきれるでしょうか。信頼できるニュースの守り手である記者やスタッフの多くがネットに移ってしまっても――あるいは買収した親会社の命令でネット媒体に異動しても――新聞やテレビは今のまま存在し続けられるでしょうか。その点についても教えてください。 |
ニューズウィーク日本版編集長 |
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