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常任理事国の拡大はパンドラの箱
アナン事務総長が提案した常任理事国の拡大は、どうも「パンドラの箱」だったようです。既存の「5大国」は、表向きは別にして、本心はこの特権クラブのメンバーをふやすことに、消極的のようです。日本が入りそうなことには、韓国が激しく反発し、インドが入りそうなことにはパキスタンが抵抗しています。 同じヒラだと思っていた同僚から重役が選ばれるとなれば、反発や嫉妬やねたみが出るのは当然かもしれません。「まじめそうな顔をしていますが、昔は悪いことをたくさんしていました」といった声がでてくるほうがむしろ自然かもしれません。 振り返ってみれば、中国国内で、「反日」が激しくなったのは、常任理事国問題からでした。中国政府にすれば、政府として言いにくい反対の声をまず民衆のデモという形で示したということではないでしょうか。これだけ騒ぎが大きくなれば、「政府としては、拒否権を使いたくないのだが、それでは民衆が許さない」ということで、拒否権を行使する「言い訳」ができたことになります。 韓国の政府からの反対論はもっと遠慮のないもので、お互いの国が強調していた「未来志向」なぞ、みごとに吹っ飛んだ感じです。竹島問題が急浮上していたからという説明も出来ますが、たとえ、「竹島の日」などの問題がなくても、同じだったように思います。 年内に結論が出るというのは絶望的ですが、私の気持ちは「少なくても10年は早かった」というところに傾いています。いまさらパンドラの箱のふたもできないでしょうが、国連改革問題が進展すればするほど、「反日」は形を変えて、続きそうな気がします。 ということで、私はすっかり弱気になってしまいましたが、みなさんは元気なようで、Kylinさんは、「核の廃絶」といった日本にふさわしいメッセージで、世界に積極的に関わるべきだという意見ですね。そうすれば、常任理事国の結果はあとから自然と付いてくる、ということでしょう。 いまいくんは、「通州事件」などをとりあげ、お互いに過去をほじくり出しても不毛だと言います。一般論としては、その通りですが、日韓併合から満州事変、日中戦争、さらに太平洋戦争への流れを「自衛戦争」と主張したうえで、常任理事国になるために国連加盟国の3分の2の賛成を獲得するのは至難の業でしょうね。 Jerryさん、琴祐さん、anriさん。何のための常任理事国か、という根本的な疑問に答えがないままに、常任理事国が一人歩きしているという危惧を感じているようで、私も同感です。 小林哲之さん、マングローブさんは、危惧よりももっと否定的で、常任理事国は「肩書き」や「勲章」ではないと言います。 小泉首相も外務省も、もう一度、出発点に戻って、まず国民に対して、常任理事国になるという目的を明確に説明するとともに、どうやって、それを実現するのかという方法を具体的に説明すべきでしょう。 |
朝日新聞論説委員 |
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