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社会全体で伴侶動物への責任を考える
たくさんのご意見ありがとうございます。実際、今私たちの身近で暮らす動物たちはすでに「愛玩動物」というよりは「伴侶動物」として共に人生を歩もう、一緒に暮らしを分かち合おう、という存在になりつつあります。もちろん、さまざまな考えの方がおられて、様々な理由で共に暮らし始めるのだと思いますが「生命」の全責任をもつという事は易しいことではありません。その動物の全てを生涯にわたって面倒をみるという事ですから、私たち人間の側の感覚だけの視点から見るだけでは、伴侶動物にとっての本当の幸せはわかりません。 ジョゼフィーヌさんがお感じになったケースでは人間の感覚と、ある意味での遊びが優先された場面だったのでしょうね。そのこと自体は動物の家族の一存で、結婚式などのセレモニーをする、などは決定されてしまうわけですが、実際そういう場面で人間達が楽しんでいれば、その雰囲気がその犬たちにとってマイナスになるとは限りません。しかし、犬たちには必要のないステップであるのも事実でしょうね。ドレスを着せたりすることに関してはあくまで「人間の楽しみ、遊び」であることは自覚しておかなくてはならないでしょう。wakanoさん、めぐさんのご意見、ごもっともです。ステータスというのも完全に人間の側だけの感覚ですね。lovesnowさんのおっしゃるように。 今の日本で動物と暮らそう! と思うとすぐに思い浮かぶのがペットショップでしょうね。しかし、本来はペットショップに生後間もない、つまりは30日、40日たとえ50日であってもそういう幼い犬や猫がウィンドウに入っている状況は、実は望ましくないのです。考えてみれば、親兄弟姉妹の元から離されていきなり、まだワクチン接種のプログラムも不十分なまま、多くの人目にさらされるウィンドウの中に終日置かれることについて、人間の側の視点だけでなく動物たちの視点で考えれば、それがどんなにおかしな事か皆さんはおわかりになると思います。このことは日本では一般的でむしろ展示販売のないショップは考えにくいくらいですが、欧米各国ではありえないことです。ではどうやって動物を選ぶのか? といえば、 純粋犬種猫種と暮らしたければ、まずは家族になる「あなた」自身が犬について猫について、犬種の特性、毎日必要な運動量、かかりやすい疾患の可能性、生涯にかかる費用について、人間のライフスタイルと合うのかどうか? などを勉強し、検討します。その上でペットショップに行くとそこにはグッズと繁殖家の紹介の冊子などがあり、その冊子から望みの犬種の繁殖家の情報を得て、繁殖家のところへ出向くのです。そこでは様々な質問がされ、「あなた」がその犬の、または猫の家族になるのにふさわしい人間なのかどうか、またそういう環境を確保して生涯きちんと伴侶として共に暮らし抜けるのかどうかを、簡単に言えば試されるのです。そしてそこで子犬や子猫の親兄弟の様子などもみせてもらって、互いに合意があれば、初めて養子縁組が成立します。そして実際に親元を離れるのを許されるのは欧州では主として3カ月以上の子犬だけです。 しかし、かといって日本でのペットショップでの習慣を一方的に責めることもできません。なぜなら、そういうウィンドウにいる動物をみると衝動的に求めてしまう人、かわいそうだからと求めてしまう人、小さいのがかわいいからと求めてしまう人が連綿と続いているから、日本のショップもそういう方法でないとこの国ではなりたたない、と展示をやめられないのです。ですから、一般の皆さんの意識を変えることが伴侶動物との関わりの根本を人間の側の感覚だけですまさないようにする大切な一歩なのです。今では実は雑種を販売している場所もあります。しかし、雑種や家族のいない動物のことを考えて家族選びをしたいという方こそ、養子縁組を無料や無料に近い金額でおこなっている日本全国にあまたあるさまざまな団体から、血統書などもちろんないけれど、迷ったり捨てられたりした非常に多くの伴侶動物を提供しているところから家族を迎えて頂きたいです。これらの動物たちのほうが、(もちろん全てがそうではないけれど)少し大きく育っていたりすでに大人だったりして、子犬,猫の時代のかわいらしさではないとしても、大人の美しさ、素晴らしい性格と経験をもった伴侶に適切な動物たちである場合も多いのです。また、すでに大人であると言うことは雑種でも大きさがすでにわかっている 、性格もだいたいわかる、という利点もあります。通常雑種の場合は成体になったときの大きさや性格に予測がつかないことも多いのですが。県の施設としては日本で唯一、長野県のハローアニマルさんは養子縁組を目的とした施設です。不妊・去勢もして、家族を待っている動物たちがそこにはいます。 青い空さん、うちには2頭のトイプードルがいます。患者さんのおうちで生まれた白い「しろま」と高知県の獣医師の家でうまれたシルバーの「まめの」です。(よろしく!)青い空さんのようにあえて6カ月齢の子犬を求める方より、限りなく小さな子犬を好む方の方が多い事実が親元を離される子犬の低年齢化を激化させていると思います。星みづきさんも行く先のない猫ちゃんと暮らしだしてくださって、その猫ちゃんのことの性格を理解しておられる様子、とても素敵ですね。たとえアビシニアンのように血統書のついた猫でも家族の都合で暮らせなくなるという事例はあまたあります。要は、人間社会全体で伴侶動物への責任をどう考えるか? なのだと思います。 |
獣医師 赤坂動物病院副院長 |
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