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皮膚の下の組織(真皮の線維性成分)が加齢、日光などで傷むことにより、しわができます。傷んだ部位の深さや広さにより、しわのサイズや溝の深さが違ってきます。浅い部分の障害では、いわゆる小じわのような状態になりますし、より深く広範囲の障害では大きいしわが刻まれることになります。 大きなしわの原因としては、急激なダイエット、加齢、日光曝露などがあります。 紫外線(UVA)が真皮の深いところに到達してしわをつくるともいわれていますので、極力日光にあたらないことと、もし日にあたらなければならない場合は、UVA(紫外線の一種)カット効果のある日焼け止め(PAなどと品質表示されています)を使用されるのが良いと思います。 小じわの原因としても、もちろん、加齢、日光があるのですが、その他に皮膚の乾燥も小じわを目立たせます。目の周りは皮脂腺がないため、特に乾燥肌の方は乾燥しやすい部分になります。このように目のまわりは乾燥しやすいのと、皮膚が極めて薄いので、小じわが目立ちやすいということになります。小さいしわの場合は、皮膚の表面に水分を補ってやることで目立たなくなることがあります。洗顔をしたあとに、保湿効果のたかい乳液、クリームなどをつけると、皮膚がしっとりして小じわがやや目立たなくなるのは、みなさんが指摘されているとおりです。保湿を通常のスキンケアの一環として行っていただくと、長い目で皮膚を大事にする目的と、とりあえず、きれいに見えるという意味で一石二鳥です。 保湿剤としては、皮膚がものすごく弱い方には白色ワセリンをすすめる事が多いのですが、これは使用感がいまいちなのと、べたべたすることなどから、皮膚が健康な方はなかなか満足して使っていただけないのが現状です。 化粧品としてはいろいろな種類のものが市販されていますので、乾燥の程度、皮膚の状態により、値段と使用感を吟味して選んでみてください。保湿剤というのは基本的に皮膚の上にのせた水分を閉じ込めるのが目的ですので、充分水分を補った後に使用してください。効果の高い保湿剤は毛穴をふさぎますので、脂性肌の部分には使用しないほうが無難です。 とりあえず現状のしわが許せる方は、上記のようなスキンケアを習慣にされてみてください。 現状にとても満足できない方は、皮膚科専門医にご相談ください。しわの治療も日進月歩ですので、できるだけ皮膚を大事にして将来のますますの皮膚科の進歩にご期待ください。 |
松井珠乃 皮膚科医 |
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