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失敗すべく設計されたシステム6月11日午前10時の時点で「失敗した、と思ったことがある」が211票、「失敗した、と思ったことがない」人はわずか31票ですか。うーん、うならされる数字ですね。でも、実は、これは私にとっては、やっぱりという感じもあります。なぜなら、わたしたちの現在の男女関係を形成する枠組みは、はっきり言って、「失敗すべく設計されている」といってもいいくらいだ、とわたしは思ってきたからです。 戦後の男女関係は、男の愛の証しは「女を従わせ、養うこと」、女の愛の証しは「男に庇護されて尽くすこと」だったという気がしています。今や伝統芸能の領域に入りつつある演歌の歌詞も、点検してみると多くはそれですよね。「尽くし足りないわたしが悪い」とか「だからお願い、そばに置いてね」とか、結構のけぞる歌詞をマジメに歌っている女性の歌い手さんをみると、お仕事って大変だなあ、と思ってしまいます。 つまるところ、愛と生活、経済がばっちり結びついていると言いましょうか。だから、養えない男と、尽くさないと女には性愛はありえないという激しい思い込みができてしまい、「男女分業を否定する男女共同参画社会基本法は男女を、男女を一色にする暴挙で、性愛も成り立たなくなる」といった不安を表明する中高年の議員さんとか大学の先生とかが出てきてしまうわけです。性愛だけじゃありません。結婚する時、同姓にしないと夫婦の一体感ができない、という意見がありますが、同姓の強制は実は逆に、「愛し合っていた二人」の間の初めての仲違いのもとになることが多いのです。これまで仲良しだった二人がどちらの姓を名乗るかでいがみ合いを体験させられてしまうわけです。 さらにこれが年金の第3号被保険者や配偶者控除となると、事態はより厳しさを増してきます。これはおおざっぱに言うと、妻が一定上稼ぐと、夫が控除や年金保険料の免除を受けられなくなり、夫の手取りが減るという仕組みですが、見方を変えると、妻が貧乏になることで夫がカネ持ちになるというゼロサム型の仕組みなのです。 principessaさんの「二人で一つの人生」を主張する男性も、このパターンを刷り込まれてしまった一類型ですし、ローズマリーさんの「暴力を振るう男」、puririnさんの「監視下に置く男」も、従わせ、庇護することが男の愛、という困った刷り込みが影響しているのかも、という気になります。 ということで、わたしたちの現在というのは、あらゆるところに「愛」という名で男女を仲違いをさせる地雷のような制度が埋め込まれ、男女が対等な関係で親密になろうとすると、よってたかってこの仕組みが邪魔して、どっちかを豊かにするためにどちらかが我慢する状態にはめこもうとするわけです。かなりましな素質の男を選んでも、この仕組みにはまってしまうと、男女は対立せざるを得なくなるわけですよね。こうした中で、31票も「失敗なし」がいることは、むしろ、すばらしいことなのかもしれません。「失敗したと思ったことがない」方々、ぜひ、ご意見と成功体験をお寄せください。 さて、「3C男がいいのはわかる、でも出くわさない」とおっしゃるhimetaroさんのご指摘が至言なのは、人間を大人に育てたがらない風潮に加え、こうしたゼロサムの哲学が、がっちり人格形成の時期に入り込んでしまい、3Cの発揮を許さない土壌があるからです。「でも、2Cくらいの男は目を凝らせば、結構いるから、あとの1Cは女性の教育あるのみか」も、まさにわたしの言いたかったことです。まず、「2C」でふるいをかけた後は、「らしさ」の性愛の枠にはまらなくても、性愛を感じられる優しい関係を、どう二人で開発していけるかなのだ、と思います。 「C」がゼロの男性を不断に生み出しがちな今の性愛文化・性愛制度の中では、「やばい」と思ったら選び直すことは、悪いことではない、とわたしは思っています。これは、「気に入らないから放り出して別のを選ぶ」という無責任な態度のことではありません。選び直す姿勢を相手にはっきりさせることで、相手を対話の土壌に引き出すこともありえますし、それがゼロサム哲学の罠から相手の男性を救い出すきっかけになることもあるからです。 わたしの知り合いで、長い期間もっているカップルは、ほとんど人生のどこかで、カップル間でのこうした選び直しを一度はやっています。結婚当時は専業主婦を選んだものの、時代や自身の価値観が変化して働き始めようとしたある女性は「私を愛しているなら、わたしの変化も一緒に愛して! 」と必死で口説いて夫の家事参加を獲得しました。いわば、「家庭内再婚」ですよね。実はわたし自身も似たような体験がありますが、それはまた明日。 同じカップルで「再婚」が成立しなければ、今の仕組みにほとほと嫌気がさした、というような同じような傷を持つ男性を探し出して、やり直してみることもいいかもしれません。数をこなせばいいものではありませんが、「三度目の結婚」のJudyさんのような方法も有効だということです。「魔性」だなんて気にしないでください。どうしても相手に言い出す決断がつかない時は、独自に新しいパートナーの再募集をかけ、自力で別の選択を始める準備をしてもいいでしょう。こうして一歩踏み出すことで、気持ちが切り替わり、現在のパートナーとの気持ちの上での力関係を変えることもでき、そこから対話が始まることがあるからです。こういう対話が成り立たないようなら、これこそ「切りどき」「決断のしどき」だとわたしは思っています。 |
ジャーナリスト |
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