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まずは自分が腹をくくる「パートナー選びに失敗したと思ったことがある」に「No」と答えている人の割合が増えてきたようです。その一人、まーどんなさんは「3C男は待っていても現れない、二人で作るもの、パートナーとは互いに3C同士」という自信のお答えです。「思い切って別れて正解」派のご意見の正しさはもちろんですが、わたしはまーどんなさんのようなご意見にもうなずいてしまう部分があります。私も、一度はパートナーに失望しつつ、話し合いで今は「3C同士」に近い納得の暮らしになっているからです。 パートナーのプライバシーを侵さない程度に説明すると、わたしは学生時代、極めつけの「3C」との確信を持って相手を選びました。下宿に行って「腹が減った」と言うと、すぐさまスパゲティーを作ってくれる手際といい、意見や世代の違う男女にも、おっとりと、しかも説得的に自分の意見を展開する力量といい、「これ、これ」とほくほく顔の私でした。ところが、お互いに会社に勤め始めると、二人とも帰宅時間は午前2時、3時は当たり前の長時間労働で、挙句は、夫はエジプトに単身赴任。その時に住んでいたわが家の近くには高速道路があることもあって、息子はひどい喘息にかかり、頻繁に救急車のお世話になる始末。支えになってくれた母も、過労で倒れる寸前、という状況での3年の別居結婚で、ついに離婚を決意しました。 帰国した彼に、「わたしはもう一人で支えるのに疲れた。お互い仕事を辞められないなら、それぞれにあった相手を選び直したほうがいい。わたしはもっと余裕のある働き方の人を探す」と持ちかけました。彼は3日ほど考えて、「家庭のことをできる限り優先する」と言いました。それ以前から「もっと育児や家事貢献を考えて」と何度も言っていたのに、ナマ返事ばかりだった人が、ここでまともに反応したのは、今考えてみると、わたし自身がそれまでは腰がすわらなかったからなのかもしれません。わたしは自分も仕事がしたかったので、相手の仕事を制限することはしたくなかったのです。いってみれば「ものわかりいい妻ぶりっこ」していたわたしが、過労で自殺したくなるほどの窮地に追い詰められ、「仕事は多少後回しでもいいから、家庭を立て直そう」と自身が腹をくくったといいましょうか、だから、相手にも「優先順位を決めて! 」とはっきり迫ることができたのだと思います。彼は「あの時言われて優先順位を変えておいてよかった」といいます。「そうでなければ、今ごろはひどい会社人間になって、精神的に貧しい生活を送っていたかも」と言います。 単にオトコの資質だけでなく、わたしは、働き方の設計の中に生活の要素がしっかり組み込まれていないといっていい日本の職場環境が、パートナー選びの失敗の頻発のもう一つ奥にあるように思います。昨日は「男女の不仲をつくる地雷」だらけの社会システム、と言いましたが、標準となっている働き方も、すべて「家庭に妻がいて、オトコは仕事以外のことについてはこれに依存するのが当たり前」という前提から組み立てられているんですよね。 最近わたしは、『ワークシェアリングの実像〜雇用の分配か、分断か』(岩波書店)という本を出版しましたが、この取材のために訪れたスウェーデンやオランダでは、女性が働きに出る前に、家庭に残る介護や育児、家事などの無償の労働をどうするかを考えて仕組みを整備していました。オランダは家事・育児の時間に合わせて男女ともに短時間労働を選べる仕組みを作り、スウェーデンはご存じのように、公的施設でしっかりカバーする方法をとっています。詳しくは、拙著をご一読いただきたいと思いますが、わたしたちが迫られているのは、生活というものの位置付けを逃げずに話し合っていけるパートナーシップを、どう作るかでしょう。 おしゃまなうさぎさんのお父様とお母様も、その辺をすりあわせる機会や訓練なしで来てしまったのかも。チュチさんの事例も「仕事」は一通りやるけれど、生活のことは何にも自分で決められない、ということなのでしょうか。mopetさんの「お金に汚い」なんていう例も、お金は何に使うかによって価値が決まってくるのだという初歩的な生活哲学を磨く間もなく馬齢を重ねてしまった人ではないかという気がします。 その意味で言えば、若い時のパートナー選びは失敗で当たり前。だって、若い時は、家事も育児も自分には関係なく、セックスアピールがポイントなわけですから。歳を重ねるにつれて、じわっと効いてくる生活のしんどさ、みっともなさ、おもしろさを共有する体勢を作れるかどうかが、パートナーとの関係を決めるのかもしれません。 「自分の心によく聞いて」のミルさん、「思い切って別れて後で冷静に」のブルーさんや「自分に嘘をつけない」TERUさんのように、いさぎよく別れを体験しつつ、自分の生活哲学と優先順位を磨いていきたいものです。 |
ジャーナリスト |
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