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日中の相互理解がアジア安定のかぎ
中国人は、日本が戦争を反省するのなら、なぜ、靖国にA級戦犯を祀るのだといいます。しかし、日本人は、A級戦犯は国を誤ったと思っている人でも、死者にまで、唾をかけることもない、と思う人が多いと思います。なにせ死ねばみなほとけというのが日本です。中国では、悪いことをした人は、死んだあとでも墓に唾をかける、といいます。 同じ漢字文化圏ということもあって、お互いに相手のことは知っているつもりでも、文化の違いは大きいのです。お互いの文化や生活習慣を知り合うことが不必要な摩擦を避けることにつながると思います。もし、相互理解があれば、たとえ、自国の政府が相手はこんなに悪いと宣伝したところで、国民は納得しないでしょう。昨日、日本侵略の話は教科書だけでなく、家族の物語として伝わっているということを書きました。共働きがふつうの中国では、子供の世話をするのは祖父母というところが多いそうで、それに年寄りを尊重する儒教が残っているわけで、いまの中国の子どもたちは、生きた人間の証言として祖父母から日本軍の非道さを伝え聞いているはずです。 話は飛びますが、北朝鮮という国が国家として成り立っているのは、燃料をはじめとして中国からの援助があるからだと思います。中国が北朝鮮の命運を握っているということは米国の政府も認めています。もし、中国が本気になって、北朝鮮への援助をやめる一方、「脱北者」を難民と認めて、国連協力による大きなキャンプを設ければ、北朝鮮の崩壊は近いと思います。 北朝鮮の命運を握っているのは中国で、もしも、日本の首相が本当に拉致問題を解決することが重要だと考えるのなら、中国と仲よくしようと考えるのが普通です。自分の信念を貫くのは大切ですが、戦略的外交であれば、まず、中国との関係をできるだけ良好にしたうえで、「誠意をもって対応しないのなら、われわれは手を引く」と中国から北朝鮮に言わせることだと思います。 ODAから話がそれましたが、結局は、私たちが中国をどう考え、どう付き合うかということだと思います。日中の政治がぎくしゃくしていれば、東アジアの安定はないからです。 いまの日中間は「政冷経熱」(政治は冷淡だが経済は熱意がこもる)だそうですが、「政熱経熱」が大事です。ODAを乗り越えて、そういう関係を築いてもら いたいと思います。 |
朝日新聞論説委員 |
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