午前中もゆっくり、という過ごし方

パレアナさんへ

ザ・リッツ・カールトン大阪が「従業員への権限を大胆委譲するなどしている」とご存じとは、ホテルにたいへんお詳しいですね。

パレアナさんのご指摘の通り、このホテルでは「エンパワーメント」という考え方のもと、権限委譲を行なっています。エンパワーメントとは「自己の中に力を蓄え、積極的な自分を創り出すこと」という意味で、もともと精神療法から来ているようですが、ザ・リッツ・カールトンではこれを「お客さまに喜んでいただけるならば、率先して、何でもして差し上げなさい」と解釈して教え、権限委譲を進めているわけです。

また外資系ホテルでは従業員のことを「ハウスゲスト」と読んでいます。従業員もまたお客さまであり、従業員の満足度を高めようと努力しています。それがパレアナさんの目に「楽しく働いている」と映っているのですね。tamafishさんへ
そう、どうせ、時間をかけてリゾート地に行くならば、少々高くても気持ちよく過ごせる所を選びたいというのは、自然の心理かもしれません。タヒチの水上コテージなどは、まさに別世界です。

かつて日本人は海外のリゾート地に行っても、団体で観光に出掛けるということがありましたが、旅慣れるに従って、滞在先のホテルでゆっくり過ごすことを覚えるようになりました。その意味では、従来よりホテル選びが重要になってきたと言えますね。

神様のボートさんへ

ホテルでぜいたくな午前のひとときを過ごす……意外と見落とされていることかもしれません。ホテルによっては午前10時とか11時がチェックアウトタイムなので、そういうホテルだと朝は何となく落ち着きませんよね。

わたしも朝風呂派なので、朝ゆっくりとお風呂につかったり、朝食は新聞を読みながら1時間ほどかけるのを習慣としていますので、午前のひとときは大切です。

で、最近は、ホテルでゆっくり過ごしていただこうと、24時間ステイプランを発売するホテルも増えてきました。札幌東武ホテルや東京全日空ホテル、ローズホテル横浜（旧ホリデイ・イン横浜）、パンパシフィックホテル横浜などが実施していますが、こういうプランを利用すると、午前中もゆっくりと過ごせるのではないでしょうか。

春太さんへ

初島クラブは、わたし個人としては、ボートに乗っていくというアプローチがまず気に入りました。

以前は、かつての離島ブームで昭和50年代に一つのピークを迎えた所です。ただし、近年は民宿も衰退傾向にあり、そんな中で初島クラブは誕生しました。94年の完成当初はホテルニューオータニの運営で話題を呼び、97年の橋本首相とペルーのフジモリ大統領の来訪で、さらに注目を集めた歴史があります。

しかし、経営母体が破綻、支援に乗り出したのが会員制ホテル「エクシブ」を展開するリゾートトラストです。新しい初島クラブになってからは、深層水温泉を汲み上げたり、桜の記念植樹プランを発売するなどして話題をまいています。

首都圏から近いのに、一つの小さな島全体がリゾートというのは、どこか夢がありますね。そうそう、バーで飲んだとき、灯台の光が、クルッ、クルッと回るのが見えました。ちょっと、ロマンチックでした。

フラアンジェリコさんへ

ホテルは、実は高級であればあるほど、客室が清潔であることに最も気を配っています。客室係が清掃し、その後、ハウスキーピングのマネジャーがインスペクションして、清掃の具合をチェックしています。二重のチェックで完璧を期しています。

ホテルの客室にとってはまた、汚れや傷がイメージを損ね、価値を下げてしまいますので、こういうものを修復しなければなりません。いま平均客室単価が日本でもっと高いパークハイアット東京では修復のための積立をして資金を確保し、少しでも傷ができたら直すという方針で運営しています。常に新品の客室を販売しようという姿勢なのですね。

それから広さについてですが、10数年前に外資系ホテルが相次いで開業してから40平方メートルクラスの客室が一気に増えました。それに合わせて、既存のホテルが客室の拡張工事を進めたほどでした。

でも、これから開業するセントレジス東京やペニンシュラ、マンダリン・オリエンタルの基準客室はどうやら50平方メートルクラスになりそうな気配です。高級ホテルはまた一段と広くなりそうです。